殴られても、噛みつかれても、頭突きを受けても。 介護者のせいにしないで欲しい。認知症の人の暴力には、たしかに背景がある。 痛い、寒い、怖い、トイレに行きたい。 それを言葉にできないつらさが、手や歯になって出てくることがある。 だから、痛みや環境、声のかけ方を見直すことで、その回数を減らせることはある。でも——どれだけ正しく、丁寧に対応しても、ゼロにはならない。 脳の病気が起こしている症状を、ケアの工夫だけで完全に消すことはできない。 プロがきちんと向き合っていても、傷を負うことはある。ここを、世間はよく取り違える。 「認知症だから仕方ない、耐えろ」と言う人がいる。 逆に「ちゃんとやれば防げたはず」と言う人もいる。 どちらも、いま現場で殴られている人を、ひとりにする言葉だ。殴られたのは、失敗じゃない。 耐えることが、仕事でもない。 それは病気の症状であり、防ぎきれない部分は、個人の根性ではなく、労働災害として組織と社会が受け止めるべきものだ。なのに現実は、その重さの多くが、個人の心と体に押しつけられている。 2026年度には約240万人の介護職員が必要とされ、2022年度比で約25万人分
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殴られても、噛みつかれても、頭突きを受けても。 介護者のせいにしないで欲しい。認知症の人の暴力には、たしかに背景がある。 痛い、寒い、怖い、トイレに行きたい。 それを言葉にできないつらさが、手や歯になって出てくることがある。 だから、痛みや環境、声のかけ方を見直すことで、その回数を減らせることはある。でも——どれだけ正しく、丁寧に対応しても、ゼロにはならない。 脳の病気が起こしている症状を、ケアの工夫だけで完全に消すことはできない。 プロがきちんと向き合っていても、傷を負うことはある。ここを、世間はよく取り違える。 「認知症だから仕方ない、耐えろ」と言う人がいる。 逆に「ちゃんとやれば防げたはず」と言う人もいる。 どちらも、いま現場で殴られている人を、ひとりにする言葉だ。殴られたのは、失敗じゃない。 耐えることが、仕事でもない。 それは病気の症状であり、防ぎきれない部分は、個人の根性ではなく、労働災害として組織と社会が受け止めるべきものだ。なのに現実は、その重さの多くが、個人の心と体に押しつけられている。 2026年度には約240万人の介護職員が必要とされ、2022年度比で約25万人分
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x.com舛森 悠| Yu Masumori |総合診療医
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